初めて参加したイタリアの展示会は、ストリートアート?
ロックダウンの間、昔の作品のデータを整理していたら、いろんなことを思い出しました。
その絵に込めた想いとか、その時の状況とか、売れたときの喜びとか。
そして、そういうのを一度きちんと整理して、記録に残しておくのも悪くないなと思いまして。
あ、そもそもブログをもう一度始めよう、と思ったのもそれもきっかけの一つで。
だって50も半ばを過ぎたら、いろんなこと、忘れ初めてしまうでしょ! 笑
みなさん、イタリアご旅行中に、広場などで絵描きさんが、それぞれに作品を並べて、絵を売っているのをご覧になったことありませんか?
有名どころでは、ローマのナヴォナ広場。
テンデンバラバラに、画家さんが場所を陣取って、好きなように絵を並べてますよね。
ああいうの、イタリアではmostra(モストラ)って言います。
モストラって、ちゃんと訳せば展覧会とか展示会のことなんですけど、ああいうストリート・アート的なものもモストラと呼びます。
いや、ストリートアートともちょっと違うかな。
ストリートアートっていうと、もっとアメリカっぽいキースヘリングみたいな感じしますよね。
でも展覧会というと、すごく高尚な感じがしちゃう。
とにかく区別がないっていうのは、それだけ絵画の販売が普通に生活に溶け込んでいるということです。
なので、野外ではあっても、そういう自由奔放なストリートアートよりも、もうちょっと規律を正したようなものなので、私は展示会と呼んでます。
でも、絵描きさんのレベル、すごいんですよ!
えーっ!上手過ぎ!こんなところで何なってんの?世界中で展覧会できそう、って思わずいいたくなりそうなレベルの画家さんが、何人もいたりします。
お粗末な人もまあ多いですけどね。 笑
で、私が現在暮らすオスティアで、初めて参加したのがこんな感じ。
こんなふうに、主催者が用意してくれるパネルに一人づつ作品を並べます。
オスティアは、『ローマっ子の海』って感じで、夏になると、たくさんのローマっ子が海水浴にやってくる。
オスティアの住民も、夜になると夕涼みに散歩に繰り出す。
なので夏の間中、こういうモストラが開かれます。
ローマのナヴォナ広場などは、1年中やってますけどね。
真冬とか寒そうですけど、みんな頑張ってます、ほんと。
オスティアは主に夏だけで、夕方から夜にかけて。
日中は暑いし、皆海水浴にいってしまいますから。
秋と春にもやったりしますけど、それは週末だけね。
私はこの街に2006年に越してきて(忘れもしない、イタリアがW杯で優勝した年!)それからは毎夏、夕涼みの散歩をしながらよく傍観してました。
あくまで傍観者〜!
まだ子供たちも小さくて、夏は夫は稼ぎ時で(笑)ほぼイタリアにいませんでしたから、子育てだけで手一杯だったし、だいたいこういう感じのモストラには自分は縁がないと思ってました。
違う世界みたいな。
で、これも忘れませんねー。
2011年。日本であの大震災があった年。東日本大震災。
モストラへの参加者を募っていたのは5月で、私はまだ震災の後遺症のようなものがあって、全く元気なし。
それを見ていたからか、絵を描き始めた友人が一緒にやろうと言い出して。
この彼女、とにかくパワフルで「ど素人の私が参加するのに、あんたが参加しないなんて絶対おかしい!」といって、あれよあれとと、話が進み…
ついに花のデビュー🌼! 笑
はっきりいって焦りました〜 汗!
どんな絵を描いていいのか全然わからなかったし。
でもあの頃、日本の震災のことがいっときも頭を離れなかったので、なんとなく自然と『街を守りたい』みたいなテーマでいくつか作品を作りました。
それで、一番最初にこのモストラのために描いたのが、冒頭の絵です。
で、一番最初に売れたのもこの絵!
嬉しかったあ♡ 戸惑いもしましたけど!
買ってくださったのは、若いカップルで、引っ越ししたばかりなので、この絵を玄関に飾りたいといってくださいました。
私たちの家を、これから築く家族を守ってくれるようにって。
あれから約10年。家族は増えたかな?
我が息子、まだ小さかった10年前!
必死で絵を売り込む夫! あはは。
0コメント