スビアーコ、聖ベネデット修道院発祥の地


私、こういうのに超弱い! 

岩に刻まれたような、崖っぷちにくっついたような教会とか修道院! 

なんでこんなところに、わざわざ造るかなあって思っちゃいますよね。 


ここは、ローマから50キロほどのところにあるスビアーコというところ。 

そしてこれは、聖ベネデット(ベネディクト)の修道院。  


コロナの話題はちょっとおいといて、去年の『ローマ日帰り・スケッチの旅』お届けします。


聖ベネデットといえば修道会の父。 


聖ベネデットは、480年頃にノルチャに生まれ、少年時代にローマに移り住み、行政官になるべく勉強に励みますが、キリストの教えに打たれ出家。(出家っていうのか?🤔) 


静かに祈るためには、やはり都会より田舎、ということでローマ郊外に移り住み、やがて修道というか庵の生活をすることに決め、スビアーコの洞窟で3年間暮らします。 


それがなんと、14歳の時だというから驚き〜。 

我が息子とはえらい違いだわ。 

まあもっとも今、息子が突然出家すると言い出したら怖いですけど。 ^^;



洞窟を後にしてからは、次々とベネデットの元に共鳴するものが集まって、このあたりにいくつか修道院が建設されます。 

ところが弟子が増えると、仲間割れもするし、敵も増えますねー。

 

あまりに敵が増えたので、529年この地を去り、100キロ南のカッシーノへ移住し、そこへ建設したのがスビアーコよりも有名な、大きくて立派なモンテカッシーノ修道院。

彼はここで亡くなります。

 

その間スビアーコの洞窟はどうなっていたかというと、600年の間は、近くの修道院で暮らす僧のための祈りの場となっていました。


そして1090年に一人の僧が近くに移住し、1093年からは12人の僧が洞窟を管理下におきます。


『Sacro Speco(サクロ・スペーコ)』と呼ばれる聖なる洞窟の誕生です。


その後、教皇インノケンティウス3世(1161〜1216)がこの洞窟を高く評価し、13〜15世紀に渡って現在見える姿に整えられていきました。


なので、現在あるスビアーコ修道院は、ベネデットが最初に住み着いた洞窟の上に13世紀から徐々に建設されたもの。 

中に入ると地下へ向かって、当時描かれた見事なフレスコ画が見れます。 


あ、中に入るには、予約してガイドさんと一緒に入ります。 タダです。笑 




こんなに鮮やかな壁画が残っているなんて、外からは想像もできない。



岩肌がそのまま壁として残っているのがわかりますか?


壁画の中で特に有名なのが、というか、ガイドさんが力を入れて見せてくれるのが、アッシジの聖フランチェスコの自画像です。 

彼は1200年にこの地に巡礼に来ています。 

そりゃあ来ますよね〜。 彼にとっては、ベネデットは絶対的な存在だったでしょうから。 


歴史的には一番古い彼の自画像だそうです。



ちなみにフランチェスコは、1210年にインノケンティウス3世に彼の活動を承認されます。


でも、それよりも面白いのがこれ。 骸骨の騎士! 



フレスコ画に圧倒されたあとは、小さな可愛い菜園に出られます。


上を見上げると…



こんな可愛いお顔が…! 😁



上から見た菜園



そして!

しっかり見学した後はお腹も空いて、レストランへゴー!





ティラミス、デカし!



Natsuki Suzuki's Illustrations

ローマ近郊の街オスティアで絵を描く日々。イタリア各地の風景画を中心に、旅のスケッチ、ナイーフ画、ハンドメイド作品などを紹介しています。日々の様子はアメブロで。よろしかったらご覧ください。

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